昨年はCB400が生産終了しました。新モデルは500ccでCB350風になるとネットでの情報です。ん？その話CB400の後継じゃなくてCB350の上位モデルでは？
CB400は前に乗っていたモデルです。
学生時代からしばらく乗っていなかったバイクに乗ろうと決心し、どのバイクを買うかいろいろと考えて、私はホンダのCB400SBを選びました。普通二輪免許（中型）しか持っていなかったということもあるし、ホンダのバイク技術に対する憧れもありました。
CB400SBはホンダの技術力が集約された素晴らしいバイクです。値段も中型の中ではとても高い。貧乏だった学生時代では、どんなに無理をしても買えなかった高級バイク。
CB400SBの納車美は、俺もこんな立派なバイクを買えるような立場になったのだ、と感慨深いものがありました。
そのお気に入りのバイクで、あちこち走り回るようになりました。バイクで走りやすい道は他のライダーも多く走っています。そんな道のコンビニや道の駅で休憩すると、他の人のバイクが目に入ってきます。
やがて他の人のバイクがほとんど大型バイクであることに気がつきました。400ccに乗っている人は、ほとんどいません。休日に田舎道でツーリングを楽しむ人は、みんな大型バイクなのです。
それがわかると、なんだかCB400SBを喜んで乗っている自分が、恥ずかしくなってきました。道の駅で大型バイクの隣に駐車すると、自分のバイクが初心者の乗っているバイクのような気になりました。CB400は、教習所の教習バイクでもあるので余計にそう思えたのでしょう。（ただし、CB400SBのために強調しておきますが、教習車にはV-TECはついていません。違うバイクといってもよいと思います。）
ときどき小柄な女性ライダーが大型バイクを乗っているのを見かけると、大きな体をして小さなCB400SBに乗っている自分が、余計恥ずかしく、そして悔しい気がしました。あんなに足つきも悪いし、倒したら起こせないくせに、大型バイクに無理して乗ってさ、と考えることもありました。
でも、そんなことを考えても、走り出して一人になるとすぐに忘れてしまうので、私はCB400SBを買い替えず何年も乗り続けました。嫉妬や劣等感に近い感覚は、私にとっては些細な感情だったからです。
とまあ、こんな感情は、バイクの乗っている人はみんな経験しているでしょう。高価なバイクと比べて、ちょっと自分の乗っているバイクが恥ずかしいとか、そういう気持ちを感じた経験は、少なからず誰にでもあるのではないでしょうか。
なんだか初めてできた彼女と似ている感覚です。初めて彼女が出来たとき、嬉しくて、一緒にいるのが楽しくて、自分を選んでくれて感謝して、幸せな日々を過ごします。そんなある日、友人がダブルデートをしようと誘ってきた。友人の彼女に会ってみると、自分の彼女よりも美人でスタイルがよくて、話も面白い。比べると、自分の彼女が可愛くなかったことがわかってきます。彼女のことは好きなんだけど、俺はもっといい女を彼女にできるはずなのに、こんな女で妥協していいのだろうか、なんてことも思い始めてきた。そして今まで気になってなかった、彼女の悪いところがやたらと目についてくる・・・
うーん。書いてみると感じ悪い男ですね。でも男なら多少の見栄や嫉妬はあって当然だし、買い替えるのも、同じバイクをずっと乗り続けるのも、我慢するのも、どうするのが正解っていうのはないと思います。彼女（あるいは彼氏）選びも、同じく正解なんてものはない。
ただバイクの場合は、お金があれば買い替えは自由ですが、感情がある相手の場合は、相手への礼儀は大切だし、自分勝手な理由での買い替えはダメですね。
