先週の12月6日から12月9日の間、大阪モーターショーが開催されていましたので、行ってきました。各メーカーとも内装が安っぽくなっている印象を持ったので、ピアノブラック、シルバートリム、カーボン調のワンパターン内装はそろそろやめたらどうでしょうか、という提案記事にしようと試行錯誤していました。しかし事実を調べて真面目に書かないと、よくわからない記事になりそうだったので、内装の記事はまた今度にしようと思います。
でもせっかく行ったので、なにかネタはないかと撮った写真を見返していたら、オープンカーのコンセプトカーが目につきましたので、自分もオープンカーに乗っている立場としてコメントしてみたいと思います。
まずはトヨタが展示してあった「e-RACER」
2シーターの電気自動車です。ケータハムセブンの電気自動車版という感じですが、後輪がハンドルと連動しているのかな。
詳細なスペックは出ていないのですが、AIの進化で知性的な車になるというコンセプトのようです。以下トヨタ社長の発言コピペ。
「将来、クルマは所有するものではなくなってしまうのか。そうはしたくはありません。(公共性の高い自動運転車のような)共有するモビリティがあるからこそ、人はよりパーソナルなモビリティを所有することになります。
自分の意思の通りに移動したい。もっと早く、もっと遠くへ行きたいという人間の欲求は普遍的なものだと思います。
クルマの登場によって、米国では1500万頭の馬がクルマに置き換わりましたが、競走馬は残りました。馬を操る楽しさは、クルマに勝るとも劣らず、馬は障害物を自分で回避します。人は馬と心を通わせることができるのです。
馬は、乗る人にとってかけがえのない存在なのです。また、AIの進化によってクルマも人と心を通わせる存在になるのではないでしょうか。未来のクルマはまた、馬のような存在になると思うのです。
e-RACERのような個人所有するモビリティは『愛馬』ということになります。人々が愛馬に求めるものは、心を通わせ、一緒に移動する歓びです」
簡単に言うと、馬のようにかわいがれる電気自動車。社長はこんな文章を考えないと思うので、デザイナーがプレゼンの時に使ったコンセプトなのでしょう。
黒いツヤツヤのボディは、馬の肌をイメージしているのでしょうか。お腹のシルバーは馬の鞍がモチーフですかね。なんとなくバットモービル的な印象ですが、プロダクトデザイン的には映画の車のほうがアドバンスです。
私もオープンカー乗りですが、この車に魅力を感じるか、といわれると乗らないです。ケータハムはいいですよ。エンジン感じるし。電気自動車系はスポーツ性より快適性追求のイメージがあるからですかね。こういう車とはマッチしないというか。
もう一台、三菱も電動SUVのオープンカーのコンセプトカーを展示していました。
スモールサイズの電動SUVで、「MI-TECH CONCEPT(マイテック コンセプト)」とネーミングされていました。
「MI-TECH CONCEPTは、“光と風を感じながら大地を駆け抜ける電動SUV”をコンセプトとし、軽量・小型化した新しい PHEVシステム、4モーター方式の電動4WDシステム、先進の運転支援技術と予防安全技術をスモールサイズのSUVに凝縮した、三菱のブランドメッセージである“Drive your Ambition”を体現するコンセプトカーとなっている。」とのことです。
こちらは四駆的な電気自動車です。デザインはゴツゴツしてガンダム世代的デザイン。わかりやすいロバスト造形です。水色もなかなかよいチョイス。でもハード面では電気自動車のオフロード車って作るの難しそうです。高トルクで、悪路をがんがん走る車ってモーターでつくれるのかな。電気自動車はバッテリーの消耗をできるだけ避けて、変速機がないイメージがあるので、こういうコンセプトのクルマの駆動系がどんな設計なのか興味がわきます。
2040年からガソリン車の販売を禁止する予定の国もありますので、当然そうなったらSUVや大型トラックなんかも電気自動車になるんですよね。こういう車のニーズもありそうです。
コンセプトカーは数十年前からデザイナーが考えつくしているので、新しいものを考えるの大変ですね。IoT系のアイデアでつくると、こんなのクルマじゃない、とか言われるし、クルマ乗る楽しみ的なものをつくると前時代的だといわれるし、未来感を出すには環境にやさしいイメージがいるし、高齢化社会に向けてのバリアフリー車とか出すとショーに出す派手さが足りないし。カーメーカーも大変だなあ、と思いながら見てました。