こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

デジタルデータ化される娯楽コンテンツの価値は下がり続ける

最近レコードが売れているということが、テレビのニュース番組で紹介されていました。

 

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私もレコードは数十枚持っていて、時々聞いています。CDで聴くよりもマイルドな音になりますし、少しノイズがあるのも風情があってよいです。音質を楽しむだけでなく、レコードをセットして針を落とすという準備の動作が、音楽を聴くという行為に重みを与え、音楽の価値を上げているような気もします。

 

まだ新譜をアナログレコードで発売しているアーティストもいますので、レコードというメディアを愛する音楽ファンは少なくないようです。

 

レコードだけでなく、カセットテープも、CDしか知らない若者の間でブームになっているとどこがで読みました。生まれた時から、デジタルが当たり前の世代にとっては、アナログのメディアが新鮮に見えるようです。

 

なぜアナログメディアがいつまでも人気があるのかというと、デジタルよりも価値を感じるからでしょう。近年は、どんな音楽でもYOUTUBEやSPOTIFYで検索して、すぐに聴けるので、とても便利になりました。

 

ネットが無かった時代は、音楽をすぐに聴けないので、音楽に対する有難みといったものがありました。音楽を聴こうと思うと、レコードやCDを買うか、ラジオの音楽を録音して聴くしかなかったので、お金のない若者ラジオの番組表を見て、録音する音楽を探していました。エア・チェックという言葉もありました。

 

今は、ネットに膨大な音楽がストックされていて、いつでも好きな音楽を聴けるようになった結果、いい音楽を聴けたときの喜びが小さくなってしまったように思えます。そういうのもあってアナログのブームがあるのかもしれません。

 

音楽だけではなく、映画も同じようなことがあると思います。私の自宅には大型TVがあり、NetflixやAmazonPrimeVideoを観れるようにしてますが、週末の数時間しか観てません。映画が好きなのに、オンデマンドを観るようになってから、あまり家で映画を観なくなりました。

 

オンデマンド視聴は、映画の鑑賞方法を大きく変えてしまいました。時間にしばられず、好きな時に好きな映画を数万本の中から選ぶことができます。したがってちょっと観て、面白くなかったらすぐに止めたりするようになってしまいました。我慢して最後まで観るということをしません。TV放送での映画だったら途中で止めれませんし、レンタルビデオ店で借りてきたものでも、途中で止めても最後まで観ていましたが、オンデマンドだと躊躇なしに中断できます。いつでも観れるし、面白くなかったら観るのやめたほうがいい、という感覚が強くなってしまいました。

 

 まとめると、コンテンツのデフレ化であると思うのです。音楽も映画もクリエイターによって毎年新しいものが作られます。ネット上には、手軽に消費できるコンテンツが増え続けています。供給量のほうが消費よりも多いのですから、価値が下がっていくのは当たり前です。

 

レコードを買ったり、わざわざ映画館で観たりする人がいるのは、そんな状況に寂しさを感じている人達かもしれません。