こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

物欲についての考察~ドンキとアマゾンとAKB

会社帰りに歩いていたら、ドン・キホーテがあったので寄ってみました。あいかわらず店の中ぐちゃぐちゃだなあ、と思いながら店の中を見ていると、とにかく何か買いたいスイッチがONになるような気がします。この雑然とした空間が、購買意欲を刺激するんだとテレビで解説されてるのを聞いたことがあります。

 

「驚安の殿堂」とキャッチフレーズがついていますが、確かにいろいろと安いものが置いてあって、買い物欲求が強くなります。でも冷静に値札を観察すると、安いものに混じって、それほど安くないものが混ざっているのがドン・キホーテ。商売ですから、利益を出さないといけないわけで、儲かる商品、仕入れが安くて高く売れる商品を置くのは当たり前です。ドンキのうまいところは、そういうものも買わせるところなのでしょうか。

 

普通のお店であれば、何かを買う目的があって訪れます。そして商品も選びやすいように陳列されています。ドンキの場合は、わざと混沌とした陳列をして、つい目的以外のものを買わせるというコンセプトになっているのです。そんなことは私が解説しなくても、ドンキに行ったことのある人なら誰でも知ってますよね。思いつきで何か見つけて買ってしまったことがあると思います。

 

そういうドンキの商売の手法と同じことが、アマゾンにもいえるのではないでしょうか。欲しいものを検索して探していたのに、違うものを見て、ついポチってしまう、ということがネットのショッピングサイトではよくあります。それが売り上げ拡大の理由のひとつでもあるのだと思います。

 

そういう販売方法を最初に始めたのは百貨店でしょう。何か目的があってデパートを訪れて、いろんなものを見ているうちについ別のものを買ってしまう。それで売り上げを伸ばすビジネスモデルをつくったのが百貨店でしょうね。

 

でも今の百貨店には、成長力がなくて、苦戦を強いられているといわれています。ネットの通販にどんどん売り上げをとられているとか。

 

それでも、私の生活圏では、阪急うめだ店によく行きますが、それなりにお客が入っているように思います。あべのハルカス近鉄本店にたまに行くと、その活気に驚くくらい人が多い。百貨店もまだまだではないでしょうか。

 

結局、人間というものは買い物するときに、商品がたくさんあって選べる方がいいのです。同じものを買うとしても、1種類しか置いていない店よりも、10種類置いてある店のほうがいいのです。たくさんある中から選んだから間違いない、という満足感が満たされるからでしょうか、あるいは選ぶという行為に楽しさがあるからでしょうか、とにかくいっぱい商品があって選ぶという行為が、人間の何らかの本能を刺激するのでしょう。

 

でも、ドンキでうろうろしていて、この店が人気があるのは、ごちゃごちゃした陳列ではなく、いろいろ選ぶ楽しみを、少ない労力で行えるということではないかと思えてきました。百貨店で商品を見て回るのは、あちこちの店を歩き回るので大変疲れます。でもドンキとかヴィレヴァンは、狭い店にたくさんのジャンルの商品が詰め込まれているので、そんなに体力使わなくても、いろんなものを選べるのです。

 

ネットでの買い物が流行るのも、つまり楽だからでしょ。家で買い物して、届けてくれるんだから、これほど楽なものはありません。

 

もしかしたら、AKB48とか多人数アイドルグループも同じ仕組みなのかもしれません。グループに人が多いので、好みのアイドルを簡単に探せる。5人よりも48人グループのほうが選ぶ楽しみが大きいのです。楽なアイドル探し。なるほど。

 

とにかく人間は楽なものに流れるのだ、などと考えながら、結局何も買わずに店を出ました。