こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

ロードスター談(3)オープンカーへの偏見

若い女性へのアンケート調査「彼氏に乗って欲しくない車」ランキングをネットで見つけました。

 

1位 改造車

2位 痛車

3位 軽自動車

4位 オープンカー

5位 高級車

 

TOP4にオープンカーが入ってました。ガーン。。。え?そうなの?

 

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このランキングは、オープンカーのオーナーとして悲しいです。別にモテようとしてロードスターを買ったんじゃないですけど、非モテ車認定だとは。改造車や痛車と同じセグメントなんですね。高級車が入っていることは多少の救いではありますが、なぜこんな評価になってしまうのでしょう。

 

統計の解説によると、彼氏にオープンカーを乗って欲しくない理由としては、「ナルシストっぽいから嫌」「日焼けする」「髪が乱れる」「他の車から見られるのが嫌」「荷物が乗らない」「狭い」だそうです。

 

「荷物が乗らない」「狭い」というのは事実なので仕方ありません。「キャンプ道具も積めないし、友達だって乗せてあげられないし、買い物だって不便だし、あなたが運転しているときに私が寝れないじゃん!そんなのわかっているのに、なんでこんな車買うの!自分勝手よ!私のこと全く考えてない!プンプン!」と怒る彼女さん、奥さんが目に浮かびます。

 

それはその通りではございます。ただ「ナルシストっぽいから嫌」「日焼けする」「髪が乱れる」「他の車から見られるのが嫌」というあたりは、誤解だと思いますので訂正させてもらえないでしょうか。

 

まずナルシストっぽいのが嫌ということなんですが、そもそも男というものはカッコいい車やカッコいいバイクが好きな生き物なのです。これは女性がお洒落を一生懸命するのと同じなんですね。

 

「このバッグ持っている私って可愛くない?」という女性心ってありますよね。男にとってクルマやバイクは、そういう女心と通じるものがあるとお考えください。

 

街でバイクに乗っている男を見てください。バイクに乗っている男はみんなカッコよく見えますか?ハーレーに乗っている小柄なオジサン、スポーツバイクに乗っている太ったお兄さんとか、カッコよくないですよね。

 

でも彼らはみんな自分がカッコよくなったと思い込んでいるのです。というか思いたいのです。男は馬鹿なので、かっこいいバイクに乗ると、自分もかっこよくなったと勘違するのです。「俺って今イケてるんじゃね?」と信号待ちのときにビルのガラスに映った己の姿を横目で見たりしてるんです。

 

実はカッコいいバイクが、カッコよくない男をカッコよくすることはありません。むしろその逆です。脚が短くて太い女の子が、ミニスカートをはくようなものかもしれません。

 

車を選ぶ理由も同じようなところがあると思います。こんな車に乗ってる俺はカッコいいんじゃね?と思って車を選ぶ男は多いです。でも実は、車が本人のイメージを良くするのは、もともとカッコいい芸能人かセレブくらい。一般人が分相応でない車に乗ると、どこかイタい感じがしちゃいます。無理してるとか、若作りしてるとか、成金趣味とか、コンプレックスを車でごまかそうとしてるとか思われてしまうのです。自分では気づいていないだけだったりします。

 

でもこれも、「だって可愛い服着たいんだもん!」という女心と同じであるということをご理解いただきたい。本人が喜んできている服を似合わないよ、やめないさいって言いにくいですよね。

 

ただし、女性の服選びと、男の車選びは大きく違うところがあります。それは、車やバイクの機能やデザインに対する愛着があるということです。俺ってカッコいいと人の目を気にすることもありますが、もっと大きなものは、車やバイクそのものの魅力に惚れてしまっていることなんです。それに人の目なんて、一人で夜の高速を走ったり、休日田舎をドライブするときは気にしません。ただ走らせて、エンジンのフィーリング、車の挙動、道路、そしてオープンカーでは光や風を感じるのに没頭するのです。

 

ロードスターなんて、そういう気分を満喫できる車の代表なんですね。まあ少なからず「オープンカーに乗る俺=カッコいい」というのは、あると思います。でもそんなことより、自由やスピード、車を操る喜び、空や空気を感じれるメリットのほうが大きいのです。

 

「ナルシストっぽいから嫌」というのは、同乗させる女性のことを考えずに車を選んでいるという意味もあるのかと思います。でもスポーツバイクに乗る人なんか、ほとんどそうですから。乗ることを楽しみたいのですから。

 

それからチャラいイメージがオープンカーにはありますが、それはドラマや映画の影響が大きいと思います。お金持ちの頭の弱いボンボンが、よくオープンカーに乗っていますからね。これは、軽薄な遊び人を映像でわかりやすく表現するための小道具として、オープンカーを使うことが多いためです。オープンカーから女の子に声をかけるシーンも絵になりやすいお約束ですよね。

 

本当のナンパ師は、オープンカーなんて使いません。だって車内が狭くて目的の行為が出来ないのですから。車の中でエッチなことをしようとか、ラブホ代を節約しようと思ったら、オープンカーという選択はあり得ません。女性を口説く事ばかりを考えているヤリチン男が選ぶ車は、後部をフルフラットにできるワゴン車で、だいたい中が見えないようにフィルムを貼っています。そういう車の方を気持ち悪いと認定していただきたい。

 

また、髪型が乱れるとか、オープンカーに乗ったことがない人の先入観でしかありません。女性を乗せて、髪型が乱れるというクレームは一度もありませんでした。そりゃ車から首を出したら乱れますよ。でもそんなの普通の車でも同じことです。それにオープンにするときは、気持ちのいい時だけです。日焼けする日差しが強いときには開けません。暑いだけです。オープンカーを持っている彼氏には、ぜひ夜の都市高速ドライブに連れていってもらってください。都会の夜景を横目にオープンにして走ると最高ですよ。まるで物語の主人公になったような感じがします。

 

と、オープンカーに対する偏見に対していろいろ弁護してみました。

 

車やバイクのオーナーは、好きでその車種を選んでいて、誰に迷惑をかけている訳でもありません。でも他人の目は厳しかったりしますね。何を思おうが言おうが、それも世間の勝手ですから。

 

しかし、人の目ばかり気にしていると、無難な車しか乗れなくなってしまいます。そんな人生は面白くありません。派手な車に乗っていようが、信用商売でなければ特に不利益もないでしょう。大人は目立つと学校でハブられたりする学生じゃないし、何を思われようが、日常生活で支障はないから、好きな車に乗ればよいのです。

 

私もオープンカーを購入する時、オープンカーなんて乗っていたら、自分はイタいおっさんに見られるのでは?と若干不安に思いました。「オープンにして走ったら気持ちいいかもしれん。バイクっぽい車がほしいなあ」と思って買っても、「いい年をしてかっこつけてるナルシストのおっさん」と見られるかもなあ、という考えが頭をよぎりました。

 

でも結局は、街中でオープンにしなければいいか、田舎を走るときだけ開けよう、と思って買っちゃいました。買ってからオープンカーについて理解が深まり、自分もいろいろ偏見と誤解を持っていことに気づきました。そしてオープンカーを所有する男は、車好き、運転が好きな硬派な男が多いということがわかりました。

 

オープンカーほど世間から偏見と色眼鏡で見られている車種はないのではないかと思います。そのほとんどが乗ったことがない人の思い込みです。特にこれからオープンカーを買う人は、女性からのモテ効果を車に期待してはいけません。「オープンカー買ったんだよ!」と言って、興味を持ってくれるのは子供くらいだと思っておいたほうがよいでしょう。それは子供心を持つ男も含みます。