こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

ロードスター談(1)オープンカーの価値

バイクのことについて書こうと、ブログを始めましたが、だんだんバイクネタが出てこなくなったので、クルマについて書きます。

 

私の現在の所有車はマツダロードスターRFです。

 

この車の特徴は大きく三つあります。運転していてとても楽しいということ、オープンにできるということ、ちょっと変わったクルマに乗っているという満足感です。

 

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ひとつめの運転が楽しいということについて書きます。

 

私はどんな車を運転しても楽しいです。SUVやスポーツカー、セダンなどの趣味性の高いクルマはもちろんのこと、ファミリーカーのコンパクトカーや軽、ワンボックスでも、運転が楽しく思える時があります。

 

でもロードスターには、他の車にはない運転の楽しさがあります。それは曲がるときです。山の峠道などのカーブはもちろんですが、交差点を曲がるときも感じます。ゴーカートにやや近い感覚といってもいいですかね。

 

これは前後のタイヤの中心に運転席があるというところから生まれている感覚です。四つのタイヤの存在を感じながら、クイッと曲がる感覚が味わえます。スピードを出さなくても、曲がるだけで楽しいのです。そんな車はあまりないでしょう。高速や一般道の直進では、他の車に対してより楽しいという部分はそれほどはないと思いますが、とにかく曲がる楽しさは一番です。

 

ただし、いわゆる人馬一体というコンセプトは、昔のロードスターのほうが個性的でした。今のロードスターは頑丈に作っているので、昔のロードスターの軽快さは薄くなってます。S660やコペンなどの軽い車の方が、人馬一体のライトウェイトスポーツカーといえるのではないかと思います。

 

二番目のオープンカーにできるという特徴は、オープンにしたときの開放感です。そしてロードスターをつくり続けてきたマツダならではの、オープンカーとしての完成度はたいしたものです。それは風の巻き込み対策のことです。

 

オープンにすると髪型がぐちゃぐちゃになるというイメージがありますが、助手席の女性も深く腰掛けていると、さほど髪は乱れません。高速で100キロ以上のスピードになると、空気の流れがやや鬱陶しく感じますが、サイドウインドウを上げれば問題は無くなります。

 

オープンカーのイメージとして、風を受けて走るクルマというイメージがまずあると思います。バイクはヘルメットを被って走りますが、オープンカーはノーヘルで走れるのでバイクよりも爽快感があるというイメージ。でもこれは残念ながら違います。バイクの方が風を受け、風と対話している感じが大きいです。ロードスターは開放感はありますが、やはりクルマ。風対策がしっかりされているので、風と対話する感じはありません。

 

風の流れがそれほどない、ということから、オープンにする季節について説明します。オープンカーに乗ったことのない人は、オープンにするのは主に夏で、冬場はオープンにできない、というイメージを持っていると思います。私もそんな風に思っていました。でもそれは間違いです。

 

真夏の昼間に、屋根を開けて走ることは自殺行為です。風の巻き込みがないというのは、風が入ってこないということ。直射日光をうけて走るのは、風のないところで日光浴をするのと同じです。バイクであれば、真夏に走っても風を受けて体温を下げることができます。だから6月から9月は夜しかオープンにしません。

 

そして冬場はどんなに寒くてもオープンにすることはできます。屋根を開けてヒーターを効かせると、まるで露天風呂のように頭だけが冷えて気持ちいいです。冬にオープンにして走っている人を見て、こんなに寒いのに馬鹿じゃないのと思うのは間違いです。

 

他のオープンの良さは、外の音や空気、匂いが直接感じられることです。山の中や、海辺の近くでオープンにして走ると、とても爽快に感じます。今まで一番爽快に感じたのは、瀬戸内海の直島へロードスターで行った時です。小さな島で海を横目にみながら、車で美術館巡りをしていると、オープンカーにしてよかったなあ、とつくづく思いました。

 

反面、オープンカーで困ることもあります。それは音です。閉めて走っていてとにかく騒音がうるさいのです。RFの前にNCのソフトトップに乗っていましたが、最大の不満点は音でした。トンネルに入るとゴーゴーと助手席に乗っている人と会話もできないくらいうるさい。また雨が降るとテントにいるかのようにバラバラ音がします。

 

それはそれで雰囲気はありましたが、車で音楽を楽しむことができないので、次に乗り換えるならハードトップにしようと思っていました。RFはオプションのBOSEのスピーカーもよくできていて、とても音響が良いです。オープンにしないときはいい音で音楽を聴けるので、その不満点は無くなりました。

 

三つ目の変わったクルマに乗ってるという満足感は、それなりに大きいと思います。人を乗せてあげるときも、ほとんどの人はオープンカーに乗ったことがないので喜んでもらえます。ただし女性を乗せる場合、オープンにするのは慎重にした方が良いです。女性は紫外線を嫌いますので、陽射しの強い時に開けると怒られます。天気悪い日か、夜にしておいた方が良いでしょう。

 

またRFは屋根が自動で開くのところが目立ちます。開閉している動きは目を引きます。特に子供は見ると大喜び。子供でなくてもクルマに詳しくない人にはオープンカーであることを黙っておいて、突然開けるとびっくりさせることができます。

 

オープンカーは、車全体の販売台数の中では少なく、オープンカーを選ぶ人は少数派です。実用性は低いので、趣味として選ぶ人が購入するクルマです。でもクルマ好きの人であれば、人生で一度くらいはオープンカーを所有してみたい、と思っている人は多いのではないでしょうか。私もなんとなく憧れていたので購入しました。まあバイクで走っている時の爽快感には及びませんが、運転しているだけでニヤニヤするほど楽しい車は他になかなかありません。