こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

物欲と脳の仕組みを考える

物欲と脳の仕組みについて考えてみました。

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 人には物欲というものがあります。

 

インターネットの時代になり、モノの情報や評価などがいつでも簡単に得られるため、物欲はより人を支配するようになった気がします。少なくとも私は支配されてます。

 

ネットがなかった時代は、情報誌、例えばファッション誌やクルマ雑誌、モノマガジン等を買わなければ、物欲オバケに憑依されることも少なかったのに、今はネットを見てると、つい購買動機を刺激する情報に触れてしまって、いろいろ買いたくなってしまいます。

 

購買行動がインターネットによって大きく変わったことで、アマゾンや楽天などネット販売がどんどん伸びて、百貨店などの旧いビジネスモデルが衰退していくという産業構造の変化も招いています。

 

大きく変わってしまった要因として、簡単に買えるというネットの利便性もありますが、インターネットによって買い物がより楽しくなったということもあると思います。

 

どれを買うか選んだり悩んだりするのが、人は楽しいのですよね。買うまでが一番楽しい、とかいいます。買ってしまうと、楽しさもそこで終わり。選んだり迷ったりしているうちが楽しいのです。

 

インターネットはその迷う楽しさを最大化してくれるのです。とにかく商品に関する様々な情報があるので、調べたり比較したり、買った経験談を読んだり、買い物の迷う楽しさが大いに刺激されます。

 

私は、 モノを買うことを検討しているとき、人間の脳内でドーパミンのような快楽物質が出ていると思っています。コレクターや買い物依存の人は、モノを買ってしまうと、その物への興味が薄くなり、また新しい何かを買うことの検討を始めます。これは脳内に発生する快楽物質の中毒になっている状態なのです。欲しいものを入手しようと想像、検討している過程において、脳内に快楽物質が得られるのです。

 

動物の脳には報酬回路というシステムがあります。自分の生命維持や種族保存にいいことをするためにプログラムされた回路です。美味しいものを食べたり、性行為をすると気持ちいいと感じる脳の仕組みです。これによって、誰から教わることも無く、自分の生命維持と種族存続に対して、動物は能動的になるのです。

 

そして、動物の脳の仕組みはよくできていて、食事のために行動すること、セックスをするために行動すること、そういう気持ちいい状態になるために準備している間も、快楽を感じる脳の仕組みがあるのです。食べ物を探す、見つける、獲物を探す、異性を物色するという段階でも、興奮して快楽を味わうことができるのです。

 

買い物行動は、獲物や食物を獲るときまでのプロセスと似ています。食べたときに気持ちいい、だから食べ物を食べる、というのは生命維持でわかりやすい脳の仕組みですが、人間はお腹が満たされる結果が得られなくても、何かを得ようと行動しているとき、気持ちいい状態になっているということです。

 

私の趣味のひとつは、写真撮影です。車やバイクで出かけるついでに写真を撮ったり、または写真を撮ることを目的に出かけたり、いろいろ撮影を楽しんでいます。

 

撮影が趣味で一眼レフを持っていると、欲しくなるのがレンズです。雑誌を読んだりネットをみたりしていると、このレンズだったらいい写真が撮れそうだ、といろんなレンズが欲しくなってくるのです。

 

本当はわかっているのです。カメラのレンズなんて実は2~3本くらいでいいということは。まあさすがに一本で済ませるのは無理がありますが、プロじゃないんだから、広角のズーム、標準のズーム、望遠のズームくらいがあれば足りるんです。単焦点レンズなんていらないのです。

 

それに写真の出来に対するレンズの貢献度ってせいぜい1割程度。写真の良し悪しは、カメラマンの知識、感性、技能、被写体、撮影時間、カメラ本体の性能などで決まるのです。それにレンズを買って綺麗な写真を撮れるようになったとしても、それはレンズの性能であり、カメラマンの実力ではありません。高価な機材を買える経済力は、実力ともいえますが。

 

そんなことわかっちゃいるけど欲しい・・・レンズが欲しい!

 

てなわけで、私は30本ほどもレンズを持っています。そのレンズを全部使っているかというと、もちろん使いきれてません。50mmの単焦点だけで5本くらいあるんですから、そりゃ全部は使わないでしょ。もう物欲でレンズを買っているのは間違いありません。

 

だから私がレンズをいっぱい持っているのは、人間の脳の仕組みとインターネットのせいなんです。現在治療中です。どうやって治療するかって?とにかくネットでレンズの情報を読まない。これが一番ですね。