こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

立ちごけという魔の瞬間

高級車を見ても、乗ってる人に対し何も思うことはありませんが、珍しいビンテージバイクや、高級イタリアンバイク、SSフルカウルバイクに乗っている人を見ると、すごいの乗ってるなあと畏敬の念を感じます。

 

というのも、乗る人の技量によっては(言い換えると下手くそは)、バイクは傷がついたり、壊れてしまう乗り物なので、転倒したらかなりの修理代かかりそうなバイクを、気後れせずに乗りこなしている人は、ベテランで技量の高い人なんだろうな、と思うからです。

 

また、どうやってこんなに綺麗にしているんだろう、と思うピカピカの年代物バイクに乗ってる人にも、敬意を持ちます。バイクを大切にしている人には素直に頭が下がりますね。

 

どの方向性であれ、自分よりもランクが上のバイクに乗っているライダーからは、バイクへの愛情と技量のオーラが出ているのを感じます。

 

でもそれほど高価なバイクでない、普通のバイクに乗っている人だって、自分の所有するバイクには愛情を持っていますよね。傷がついたり倒さないよう、いつも気をつけていると思います。特に新しいバイクを買って、取り扱いに慣れるまでは、バイクで転んだり、倒してしまわないようにかなり用心しています。

 

しかし、そんなバイクを愛する人たちを、大きく悲しませる出来事、バイク乗りを不幸に陥れる魔の瞬間があります。

 

それは、立ちごけ。

 

立ちごけはショックです。悲しいですね。何してるんだ俺は!と自分を責めるしかないですね。

 

立ちごけは、バイク乗りになると、誰しも必ず通る道でしょう。特に二輪初心者や、新しいバイクに慣れていない頃は、用心していても、一度くらいはやってしまいます。そして立ちごけと、そのあとの精神的ショック、反省を経験してこそ、普段の取り扱いを無意識に注意する癖がつくのではないかと思います。

 

恥ずかしながら、私も立ちごけは一度ならず数回は経験があります。あらためて振り返ってみました。

 

①スタンドが原因の立ちごけ

 

バイクは二輪ですので、止まっているときは足かスタンドで支えないと自立しません。ゆっくり走っているとき、停止しているとき、押して動かしているときは倒れやすいものです。そういうときはバランスをくずさないよう、倒さないように、スピードを出しているときよりも注意しています。そしてスタンドを出して停めると緊張が解けてほっとします。魔の瞬間は、そのほっとする時に訪れます。

 

それは、もう大丈夫と思って安心したけど、実は安心できる状況ではなかった、という瞬間ともいえるでしょう。具体的に言うと、スタンドを出したつもりでバイクを傾けたら、スタンドがちゃんと出てなかった、中途半端だった、スタンドを受ける地面が低かった、柔らかかった、とかそんな状況です。安心して気が抜けているので、バイクが思った以上に傾いた時の咄嗟のリカバーができません。

 

 

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対策としては、スタンドを出した後、バイクを傾けてしっかり駐車できるまでは気を抜かない。バイクはゆっくり傾ける。この意識が重要だと思います。

 

②Uターン時の立ちごけ

 

バイクを駐車したり、狭い道を引き返したりするとき、バイクをゆっくり動かしてUターンさせます。そんなとき、地面が思ったよりも傾いてたり、凸凹していたり、砂利道だったりする場合に、魔の瞬間は訪れます。地面に車輪がとられて、急に思った角度以上に傾いて、なんとか起こそうとするけど時はすでに遅し。起こせないのであれば、できるだけ傷つかないようふんばってバイクを接地させるしかありません。地面の角度が寝ている方向に、バイクを倒すと起こすのも大変ですね。

 

対策としては、地面の状態をよく観察して焦らないこと。観察力があると、こういう失敗はしません。地面の傾き、滑るか滑らないか、などよく見るようにすれば、トラブルは防げます。

 

③エンストが原因の立ちごけ

 

さて発進!と動き出したら突然エンジンが止まり、バランスを崩して立ちごけ。これも一回やりました。エンストの原因の多くは、停止のときにギアを落とすのを忘れていて二速で発進したとか、クラッチ操作を誤ったとかの操作ミスです。

 

 対策としては、発進する前に、左足で必ずギアが一速まで落としていることを確認する癖をつけることです。

 

④巻き添えの立ちごけ

 

これは自分ではなく、他人のミスによって被害をうける場合です。私はマンションのバイク置き場に停めていますが、隣に停めていた小型バイクの持ち主が、乗ろうとした時にバイクを倒して、私のバイクも倒れてしまったことがありました。

 

倒した人が、管理人に私の部屋を聞いてすぐに謝りに来られました。バイクの状態を確認すると、ハンドルが少し曲がっていたので、修理が必要でした。その人が保険を使いたいって言うので、事故証明がないと保険金が出ないから、ということで近くの交番のお巡りさんを呼んで、バイク転倒の経緯を説明しました。お巡りさんの言うことには、マンションの駐車場でのトラブルは、公道でないので事故証明は出せません、とのことでした。そうですよねえ。お巡りさんは暇だったのか、相談されて嬉しそうでしたけど。

 

偶然その人も私と同じバイクショップを利用していたので、修理後にハンドルの部品代と工賃を支払ってもらいました。それからしばらくして隣のバイクは駐輪場から無くなりました。バイクは向いていないと思って処分したようです。

 

ほかでは、最近知人から、道の駅に停める時に、隣のバイクを倒してしまった話を聞きました。倒してしまったそのバイクは、いろいろカスタムしたハーレーで、ちょっと怖い人がオーナーだったそうです。高価な部品がついていて、かなりの金額を請求されたそうです。対物保険に入っていたので、保険会社に交渉してもらったそうですが、そこそこ支払うことになったとか。

 

巻き添え防止としては、狭いところに無理に停めない、隣の人の取り扱いに問題ないような停め方をする、などですかね。少なくとも他人のバイクに迷惑はかけないようにしたいものです。