こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

仕事がテンパってきたらスパイ大作戦

子供の頃、スパイ大作戦というアメリカのテレビドラマが好きでした。トム・クルーズのミッション・インポッシブルという映画のオリジナルになったドラマです。

 

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テレビで何度も再放送されていて、よく見ていました。

 

ストーリーは、スパイチームのリーダーが、国の諜報機関から極秘の指令を受け取り、特殊なスキルを持ったメンバー達を集めて、様々な政治的事案に対処するというお話です。

 

毎回ドラマは、「おはようフェルプス君」と、テープの声で指令を受け取るところから始まります。指令の説明が終わると、「例によって、君もしくはメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局はいっさい関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。」といつも同じ台詞があって、テープから煙が出て消滅、有名なテーマ曲が流れるオープニングが始まります。

 

与えられたミッションを実行するために、奇想天外な作戦で、悪いやつらを騙したりするのですが、変装やトリックなどの仕掛けが、毎回凝っていて楽しませてくれました。お約束で、予想外のピンチが発生しハラハラしますが、メンバーの機転や特殊技能で、危機一髪を回避して、最後は必ずうまくいくのです。トム・クルーズも子供のころからこのドラマの大ファンだったので、権利を買って映画化したと、どこかで読みました。

 

こういうドラマも、いわゆる予定調和ドラマというのでしょうか。昔の時代劇にも、パターン化されたドラマが多かったですね。水戸黄門や大岡越前、仕事人シリーズなど、事件があって主人公が危機的な状況を経て、最後は解決っていうパターン。

 

日本人は時代劇好きだなあ、と思ってましたが、アメリカ人も同じようなものです。ドキドキする話が好きで、登場人物が危機的且つイレギュラーな状況になり、頑張って脱出するものがウケるのです。

 

でも予定調和ドラマで、ひとつ大切な必要条件があります。最後に主人公が危機を脱出し、爽快感があること。

 

最後に正義が勝つだろうとか、主人公が幸せになるだろう、ということが、なんとなくわかっているから、安心してハラハラできるのです。ジェットコースターだって、最後に無事終わるとわかってるから、怖くても楽しめますが、もしかしたらあの世に行くかも、とか言われたら楽しくないですよね。

 

なんでスパイ大作戦の話を思い出したかというと、仕事をする上で、いろいろややこしい問題にぶちあたって、ちょっときついなあ、という精神状態になったとき、あのテーマソングを頭の中で流すと、少し自分を鼓舞することができるのです。

 

でも実際の仕事は、ドラマと違って予定調和なんてなくて、うまくいかない場合や、責任を押し付けられたり、嫌なことがたくさんあるわけなんですが、予定調和がないかわりに、命の危険もないので、どんな状況になっても死ぬことはないドラマに出ているようなものです。だから安心して危機的な状況を楽しんだらいいのかな、とも思うのです。

 

あのテーマソングを作曲した人は、そんな使われ方してるなんて想像もしてないと思いますけど。