こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

織田信長を狙撃したスナイパーと根来寺

鉄砲で狙撃して、信長をひやっとさせたスナイパーがいました。

 

ゴルゴ13はM16で1キロ離れたところから撃ちますが、当時は火縄銃です。遠距離では狙えません。25メートルからの狙撃です。

 

越前の朝倉氏攻めの金ヶ崎の戦いで、浅井長政に挟み撃ちされ、京都に逃げていた信長が、岐阜城へ戻るため、滋賀県の千種街道を通っていた時のことでした。

 

杉谷善住坊という男が、隠れた場所から信長を狙撃したのです。銃の名手だったらしいですが、2発撃って信長にかすり傷を負わせただけで、失敗に終わりました。

 

信長は驚き、ものすごく怒って犯人捜しを命じました。杉谷善住坊は逃亡し、隠れていたのですが、捕まってしまって、土に埋められ首だけ出して、竹の鋸でじわじわ挽かれて殺されました。信長の復讐方法が怖いですね。

 

なぜ杉谷善住坊が信長を狙撃したのか、理由ははっきりとしていませんが、根来衆の一人であったとの説があります。

 

根来衆というのは、高野山からドロップアウトした覚鑁という僧侶のグループ。覚鑁は高野山で空海の教えを守らない堕落した僧たちを批判していたのですが、煩いやつだ!と逆恨みされて住んでいたお寺が放火され、身の危険を感じて高野山を抜けて、しばらくして亡くなります。その覚鑁の弟子たちが根来寺をつくり、根来寺に身を寄せていた僧侶たちを根来衆といいました。

 

戦国時代になると、お寺の僧侶も武士のように武装するようになり、根来衆は種子島から鉄砲を持って帰って武装をし、それをきっかけに鉄砲が普及していったそうです。

 

そんな鉄砲の歴史を調べていたら、根来寺に興味がわいてきて、去年の冬にバイクで行ってみました。和歌山県の岩出市にあります。和歌山といっても和泉葛城山の南側なので、大阪からそれほど離れてはいません。

 

 

確かに場所は高野山の近くといえば近くですが、紀ノ川の対岸で、西よりに離れているので、高野山とは距離を置いていた、という位置関係です。

 

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石段があって立派な自然のエントランスです。

 

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このお堂は国宝です。秀吉に攻められた時の火縄銃の跡といわれるものが残っています。

 

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お庭は綺麗にデザインされています。

 

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美しい寺院ですが、参拝客はほとんどいませんでした。細部まで手入れは行き届いていますので、このお寺を大切にしている人がたくさんいらっしゃるのでしょう。もしかしたら根来衆の子孫がこのお寺を支えているのかもしれません。