こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

キャデラックとモンドリアン

田舎道を走っていたら、私の後をずっと黒い大きな外車がついてきます。すごくいかつい車が車間をつめてくるので、信号待ちのときに先に行ってもらいました。リアのガラスには黒いシートが貼られていて、中が見えないようにしています。アメリカ映画で、CIAとか黒いスーツの男たちが乗ってるような車です。この車でした↓

 

f:id:toshihiko-w:20190409091629j:plain

 

リア側にその車のブランドのエンブレムがついていました。なんだったけ、このエンブレムは。

 

f:id:toshihiko-w:20190409091022j:plain

 

車好きならすぐにわかるのでしょう。思い出せそうで思い出せない。気になって仕方がないので、コンビニで休憩しながらスマホで調べました。こんな時にインターネットってほんと便利です。インターネットで調べたら何でもすぐにわかるようになったから、みんな馬鹿になった、とか言ってる人がいましたが、わかってないな。インターネットがあろうとなかろうと、みんなバカなの!

 


答えはキャデラックでした。そうそうキャデラック。ヤナセで売ってる車だ。私は外車好きではないので、すぐにブランドが出てこないのです。アメ車好きの人は、燃費なんか気にしないですからね。キャデラックを買う人いるんだやっぱり。


今回の話は、キャデラックの車ではなく、エンブレムの話です。エンブレムの説明を読んでいて知ったのは、キャデラック伯爵家の紋章をピエト・モンドリアンがアレンジしたということ。確かに縦と横の直線と赤青黄です。そうだったの?知らんかった。

 


ピエト・モンドリアンは、抽象画のアーティストです。彼の作品は私も好きです。

  

モンドリアンは黒い線と赤青黄の三色だけで構成されたコンポジションシリーズが代表作です。ステンドグラスのようなデザインです。抽象画なんですが、デザインの模様と理解している人も多いですね。

 

 

f:id:toshihiko-w:20190409091033j:plain

 

単純に縦と横のグリッドが組み合わさっているのではなく、線がつきあたって、どういう規則性があるのか、よくわからないところもこの絵の魅力ですね。

 

抽象画家は観念的なレベルで、視覚的な情報を単純化・記号化するのです。しかし、この絵をどう理解すればいいのか、私にはよくわかりませんでした。モンドリアンの絵画が持つ視覚的情報から、脳にある種の美的な心地よさが生まれているとは感じていましたが。

 

絵を見た何年か後に、脳科学者の書いた「脳は美をいかに感じるか」という本の中に、モンドリアンの絵について解説してあり、そんな見方もあるのか、と思いました。うろ覚えですが、脳の中は、水平・垂直と、斜めの線を認識する部分が異なっていて、水平垂直だけで構成するアートをつくったモンドリアンは、その脳の構造を芸術活動の中で読み取っていた、とかなんとか。優れた芸術家は、脳の機能的構造を利用した芸術を生み出すそうです。

 

芸術を脳科学的に解説するのは、ヒット商品を後から分析するマーケティングみたいなもので、ちょっとヤボったいかな。