こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

スーツの収納について

新型コロナは、世の中の価値観をいろいろ変えてしまったと思います。

 

劇的に変わったものもあれば、これから時間をかけてじわじわと変化していくものもあるでしょう。

 

ビジネスマンのファッションもそのうちのひとつではないかと私は思ってます。

 

どういうことかというと、在宅勤務のリモート会議が、ビジネスのドレスコードを変化させたのではないかということです。

 

今回の新型コロナ対策の出勤規制で、多くの人が在宅勤務を経験しました。家からリモート会議に参加する際、みんなカジュアルな服装で画面にうつっていました。

 

日頃スーツを着ている人も、やはり家でスーツは不自然です。そしてみんなが社会不安を共有していたので、ビジネスだけど、服装がフォーマルじゃない、なんて誰も言いません。はっきりいってドレスコードなんかどうでもいい話になってしまったのです。

 

振り返ってみれば、日本のスーツ文化は奇妙なものでした。西洋文化に憧れて、背広を着始めた日本人は、仕事着でスーツを着るのが当たり前だという文化が長く続きました。

 

アメリカでは、西海岸のIT系産業が盛んになった1980年代には、もうスーツ文化なんて前時代的になっていました。私が1990年代にアメリカで仕事に出張にいったとき、スーツネクタイなんて日本人くらい。アメリカ人のほうが日本人に気を使ってネクタイするくらいでしたね。

 

そんなスーツ文化に楔を打ったのが、現在東京都知事の小池百合子氏。2005年に小泉内閣の環境大臣だった小池氏がはじめたクールビズが、ネクタイ文化をほぼ破壊してしまったと思います。

 

しかしそれも急速に変化したわけではなかったと記憶しています。クールビスで、ネクタイや上着を夏場に着用するのはやめましょう、ノーネクタイ・ノージャケットでいいじゃないですか、というキャンペーンを政府主導でやりましたが、もともと蒸し暑い日本でスーツを夏場に着るのは非合理的であったというにもかかわらず、浸透するにはかなりの抵抗勢力があったように思います。

 

当時私の会社でも日付を設定して、今日まではクールビス、明日からネクタイ着用、なんてやってました。それがそのうち「お客様が来られたときはネクタイしよう」になり、今は来客でもネクタイなんてしなくなりましたね。会社でネクタイをしている人はほとんどいないかな。

 

今ではネクタイの市場規模はもう悲惨なことになっています。一部の固い職業の人、フォーマルな場所のみでしかネクタイはしなくなりましたね。

 

それでもジャケットを着る文化はあいかわらず残っています。でもこの新型コロナの在宅勤務によって、その文化が一気に変化するのではないかと思っています。

 

私も、在宅勤務から通常勤務に戻り、スーツを二か月ぶりに着たりしたのですが、自分の服装にものすごく違和感を感じました。あれ、なんでこんな服着なあかんのかなあ、なんかダサいし(笑)と思いました。

 

 

話は少し変わります。

 

最近部屋のリフォームをした際に、洋服の収納を見直そうと思いました。少しでも洋服の収納容積を減らすことができれば、狭い部屋を有効に活用できると思ったからです。

 

そして、そのひとつの方法が、ジャケットはジャケットだけで、シャツはシャツだけで、パンツはパンツだけ、というように、種類別にまとめることでした。

 

なんだそんなのやってるよ、という男性諸氏に問いたい。

 

スーツのジャケットとパンツは、セットにして一緒にクローゼットに収納していませんか?

 

そりゃ上下あわせて一緒に着るんだから、一緒にかけておくのは当然ですよね。

 

私もずっとそう思ってきました。でも今回、スーツも上下を分けて、パンツだけまとめて収納すると、いくつかメリットがあることに気が付いたのです。

 

まず容積です。ジャケットを収納しようと思うと、クローゼットに奥行60センチは必要です。ところがパンツは奥行35センチくらいでいいのです。幅の違うジャケットとパンツを一緒にしまうと、全て大きいほうにあわせて60センチ幅がいるので、結局ズボンも60センチの場所に収納することになるのです。

 

これをジャケットはジャケットだけ、パンツはパンツだけでまとめて収納すると、パンツ類は奥行の小さいところへ収納できるので、全体として容積を縮小できるという算段です。

 

  

このやり方だと、スーツの上下を探す手間がかかりそうですが、実はひとついいところがあるのです。

 

ジャケットとパンツで先にダメになるのは、ほぼパンツからですよね。スーツでパンツがダメになると、ジャケットも一緒に捨てることになります。ジャケットはまだ着れるのに、と思っても、スーツのジャケットはデザイン的に単体として使えません。

 

したがって、スーツの運命を左右するのはパンツの状態なのです。だからパンツ主体でスーツは管理すべきなのです。パンツだけ並んでいると、「このパンツはしばらくはいてないなあ」とか「このパンツイはあと2シーズンくらいでお役御免かな」とか「そろそろクリーニングか」と、スーツのメンテナンスがしやすいのです。スーツ上下でしまっておくと、パンツをチェックしないので、何年か着るのを忘れていて流行おくれになるスーツとか出てきます。

 

 あわせてデニムなどのカジュアルパンツも同じようにまとめると、必要なもの、無駄なものが明確になります。古いデニムも何本も断捨離しました。今はデニムが年寄くさいアイテムになってるそうです。とにかく男子のファッションは、パンツ主体で考えるべきでしょう。

 

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というように、いいことに気がついたのですが、スーツ文化もあと10年くらいかなと思います。一般のビジネスマンは、スーツは春物、冬物の二着くらいでよくなるでしょう。何年も使うので体型維持を今までよりも意識する、あるいはストレッチ素材のスーツのニーズが高まるでしょうね。