こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

漫画のルーツ「信貴山縁起」

「信貴山縁起」(しぎさんえんぎ)は、平安時代末期の絵巻物です。

 

日本の四大絵巻物の1つで、他に「源氏物語絵巻」、「鳥獣人物戯画」、「伴大納言絵詞」があります。

 

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ストーリーは命蓮という偉いお坊さんの話。お坊さんが、念力(サイコキネシス)を使って米俵を空に飛ばすなど、荒唐無稽なお話がイラスト付きで語られています。絵もわかりやすくて、まさしく漫画っぽい絵巻物です。お坊さんはすごい力を持っているから、なめたらあかんで、というお坊さんのブランド化が、この絵巻物の根底に流れる精神です。SFやオカルト系の話は平安時代からウケたのでしょう。後白河天皇が関与したという話もあります。

  

絵巻物は国宝で、以前奈良の博物館で展示されていた実物を見る機会がありました。「鳥獣人物戯画」が日本の漫画文化のルーツとされていますが、物語性からみると、「信貴山縁起」のほうが現代の漫画に近いものがあります。

 

そんな信貴山縁起が保管されていたのが信貴山朝護孫子寺です。生駒山の南端に位置しています。生駒山を南北に通る生駒スカイラインは、二輪走行禁止なので、朝護孫子寺へバイクで行くときは南側から行きます。

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駐車場の前に鳥居があって、そこから徒歩で登ります。お寺なのに鳥居があって変ですね。平安時代には日本の神様は仏様が姿を変えたという思想があったから?

 

 

信貴山のお寺は、聖徳太子が建てたといわれています。仏教をめぐって蘇我馬子と対立していた物部守屋は生駒を本拠地としていました。聖徳太子は仏教の力を借りて、守屋を討伐したので、この地に仏への感謝と守屋の鎮魂のためにお寺をつくったとされています。

 

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私なんかにはいまいちありがたみのわからない場所なんですが、昔から地元の人に愛されているお寺です。

 

毘沙門堂へと登ります。

 

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本堂は、見晴らしがよくて、風の気持ちのいい場所です。

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この建物の中に、暗闇の中を歩く戒壇めぐりがあります。ほんと真っ暗ですね。アーティストのジェームズ・タレルの作品との共通性を感じます。

 

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宗教施設というよりも、エンターテインメントな施設的な感じ。松永久秀時代に織田信長に焼かれたそうなので、今ある建物はそんなに古くないもの。ちょっとがちゃがちゃしている場所になってます。京都にはこういうノリがないです。

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適度なアップダウンがあって、結構な運動になりますね。お年寄りも頑張ってお参りされていました。