こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

バイクの危険性

私はバイクに乗るのが好きです。力強いエンジンの鼓動を感じながら、体で風を受け止めて疾走することが大好きです。バイクは車とは違い、自然や季節を走りながら感じることが出来ます。乗ってると楽しくてアドレナリンやドーパミンなどの脳内物質が出てると思います。運転に集中しないと危ないので、あまり余計な考え事はしません。バイクに乗ると仕事のことを忘れられて気分転換にもなります。

 

そういうバイクに、いつまでも乗っていたいので、バイクで出かけたら事故らず無事に帰宅するということを、私は一番大切にしています。

 

バイクに乗り始めた学生の頃、転んだことが二度ほどありました。どちらも私の不注意からでした。転倒したときは「あ、俺死んだかも」と、時間の流れが遅くなる経験をしました。幸い入院するほどではありませんでしたが、私もバイクも怪我をしました。「バイクでバカやっちゃってさー」と笑っていましたが、バイクは危ないと思うようになり、バイクが盗まれたことを契機に乗るのをやめたのです。

 

それから何年もして、再びバイクに乗るようになりました。もう学生ではなく責任ある社会人です。バイクで転んで怪我をして、仕事に穴を開けて誰かに迷惑をかけるのは、とてもかっこ悪いです。なので再び乗り始めようとしたときは、バイクで事故らないためにはどうすればよいか、かなり真面目に考えました。

 

一般的にバイクは危険なイメージがあります。しかし視点を変えると、車よりバイクのほうが安全であるのです。まず死角が少ない。ヘルメットはかぶっていますが、周囲の交通状況は、車よりバイクのほうが鋭敏に感じれます。車には前方のピラーや、斜め後ろなど、たくさんの死角があります。また、バイクは車体が小さいので、周囲の車との距離は離れていますし、万が一前方で事故があっても、運動性能がよいので、よけられる確率が高いです。そして車の運転は、音楽を聞いたり、携帯で話したり、飲み物を飲んだりと、ながら運転をする人は多いのですが、バイクは運転に集中するので、車よりも安全運転をしていると思います。

 

まあそんなことを言っても、やはりバイクには転倒の可能性があるという点で、車よりも安全性は低いです。しかし転倒さえしなければ、前述の通り、バイクは安全な乗り物であると思うのです。

 

転倒しないようにするため、私が気をつけていることがいくつかあります。

 

1.曲がれないスピードでコーナーに突っ込まない。

 

バイク事故で多いのはこれ、いわゆる自爆事故です。バイクに慣れて、コーナーを曲がるのが楽しくなると、どんどんスピードを上げるようになっていきます。うまくなりたい、早く曲がりたい、と練習のようなことをずっと続けていると、いつか自分の限界点を超えてしまう時が来ます。そして自爆。転倒か、左カーブで対向車線にはみ出して、対向車と衝突するか、右カーブでガードレールに衝突するかしてしまいます。本当に当たり前のことなのですが、余裕のあるスピードで曲がる事を心がけると危険性が大幅に下がります。マスツーリングは要注意です。前を走る上手い人と同じスピードでコーナーに突っ込んではいけません。「俺下手だからゆっくり行くね」と言っておけばよいのです。それでイライラする人とは一緒にツーリングに行ってはダメです。

 

2. 目に見えないものは信用しない。「だろう」運転はしない。

 

前に何があるかわからないとき、万が一のことがあっても対処できるように走るべきです。山道のコーナーなど、前方が見えない道を走るとき、もしかしたらコーナーの先に落石があるかもしれませんし、車が停まっているかもしれません。自分が対処できないスピードでコーナーに入るべきではありません。「大丈夫だろう」で走って問題がなかったのは、単に幸運だっただけです。いつか危険と巡りあう時が来るかもしれません。普段の心構えが大事だと思います。

 

3.周囲の車を信用しない。

 

走っているのはサーキットではなく公道です。周りを走るドライバーのモラル、体調、運転技術は様々です。徹夜明けで居眠り運転している人、スマホ依存でラインをしながら運転している人、助手席のミニスカートから出てる脚が気になって、ちらちら見ながら運転している男もいるかもしれません。車の斜め後ろの死角に入ったときは特に気をつけます。前方の交差点で右折待ちしている車や、突然車線変更してきたタクシーなどが、こちらに気づいていない場合もあります。車の運転手は完璧ではないと、いつも疑っているほうがよいと思います。

 

4.天気の悪い日に乗らない

 

雨の日は基本的に乗りません。天気予報を見て、雨が降りそうだったらやめます。濡れたマンホールの蓋、高速道路の突風など、天気の影響は安全性を低下させます。走り出して、雨が降り出したら、その日のツーリングは諦めて引き返します。

 

5. どんな時も慌てない

 

これは車の運転も一緒ですが、急発進、急な車線変更、慌てた行動が事故のもとになります。自動車評論家の徳大寺さんの本に、交差点を曲がるときは、自分の存在を周囲に見てもらうつもりでゆっくり曲がる、と書いてありました。そういう気持でゆったり曲がると、自転車や歩行者に気づきやすくなります。

 

6. ETCは必須。ナビは見ない。

 

バイクは高速道路の入り口で、後ろから突っ込まれる事故が意外と多いそうです。端に寄っているので、後続車がバイクの存在に気づくのが遅れるようです。高速を使うときは必ずETCにしたほうがよいです。あとスマホをナビ代わりにいて走る人が多いですが、私はやりません。停車して地図を確認します。

 

 バイクは体が露出しているので、転ぶとと怪我をします。ひどい事故の場合は、死んでしまうこともあります。とはいえ、バイクは危ない乗り物と自覚し、注意を重ねることで、いろいろとリスクを下げることが出来る乗り物でもあります。ちょっと用心しすぎじゃない?と思われるかもしれません。しかし注意一秒、怪我一生です。ゴルゴ13だってあれだけ用心深いから、何十年も生き延びているのです。ライダーの皆さん、安全に楽しく乗り続けましょう。