買ったばかりの本を、旅行中に失くしてしまいました。
「脳は世界をどう見ているか」という本です。脳と記憶の仕組みについての新しい説や、AIの未来についてわかりやすく書かれてあるというので、買ってみました。ビル・ゲイツの2021年の推薦本だそうです。
とても興味深い内容なのですが、脳細胞の話が難解で、頭にすっと入りません。理解できるまで、何度か読み返そうと思っていました。
ところが、その本を一泊二日の旅行へ行ったときに失くしてしまったのです。飛行機とバスで移動する旅行だったので、乗り物内で読もうと思って持って行ったのですが、家に戻って荷物を取りだすと、本がありません。どこかで紛失してしまったみたいです。
久々のうっかり。こんな大きなものを無くすなんて、もう年なのかなあ、と自己嫌悪。それと、まだ読み終えていないので、残りの内容がとても気になりました。もう一冊買おうかと思いましたが、2800円もするし、もったいないです。しかし、どうしても読みたいので、キンドルデータだけ買いました。
数日たってから、ふと、空港で落としたのではないか、ということに思い至りました。
これまでの人生で、恋だの夢だの、いろんな失くし物をしてきましたが、どこで失くしたのかわからないことが多いです。自分の行動を思い返していると、あそこにあの瞬間に忘れたのではないか、と思える場所がありました。
それは伊丹空港の24番搭乗口前のベンチです。飛行機の出発が30分遅延したので、本を読みながら搭乗を待っていました。改札がはじまり、私もカバンを持って並びました。たぶん、その時にベンチに置き忘れたのではないか、と思い出したのです。
それで早速、「伊丹空港 忘れ物」とネット検索すると、空港の忘れ物係の電話番号がありました。もしかしたら見つかるかもしれん、とダメ元で電話してみました。
係の方に調べてもらったら、本はありません。「ああ、やっぱり」と諦めかけたら、「こちらにはありませんが、もしかしたら航空会社のほうで保管しているかもしれないので、電話してみてください。」とJALの紛失物担当の連絡先を教えてもらったので、次にJALへ電話してみました。
担当の方に調べてもらうと「確かにその本は24番口にありました。お預かりしていましたが、保管期間が一週間たちましたので、本日ちょうど伊丹警察に引き渡しました」とのことでした。
伊丹空港での紛失物保管は一週間で、そのあとは伊丹警察が引き取ることになっているようです。それで、伊丹警察の担当(会計課)の電話番号を教えていただき、電話をしてみました。すると、「該当する紛失物は受け取っていない」といわれました。
「JALさんからは伊丹警察に渡したって伺ったんです」と伝えると、「再度確認しますので、折り返し電話しますね」と、再び調べてもらいました。
10分後に電話があり、伊丹空港の警備室にまだ置いてあり、伊丹警察にはまだ送られていなかったようです。土曜日の午後には、伊丹警察にあるということなので、「土曜日に行きます」と言うと、土曜日は休日なので、窓口担当に引き継いでおきますとのお返事。
土曜日の午後、スマホのナビに「伊丹警察書」を入れてバイクで向かいました。今まで何度か走っているところなので、スムーズに場所はわかりました。
警察署に着いて、受取りの書類を書いて、本は無事に手元に戻ってきました。ちなみに警察での保管期間は三か月なのだそうです。
本を探して戻って来るまで、4人の方々にお世話になりました。皆さん面倒くさがらずに、とても親切に対応していただけました。
日本は落とし物が見つかる国なんです。いい国です。
それと、本の落とし物を探すときは、必ずタイトルを聞かれますね。問い合わせの人が変わる度に聞かれるので、『セックスが上手になる』とかの恥ずかしい本じゃなくてよかった、と思ったのでした。そんな本なら探さないか(笑)