だいぶ前のことですが、能勢方面をバイクで走っていた時のことです。
能勢や亀岡は、だいたいが片側一車線で、山道や住宅街で見通しが悪い所はセンターラインが黄色になっています。
ある所で、前方に信号待ちをしている中型トラックが停まっていました。私は少し急いでいたので、そのトラックの横を通って前に出て、信号が変わったら走り出しました。
するとトラックがスピードをあげて追いかけてきたのです。最初はトラックも急いでいて、追いかけられているのは私の気のせいだろうと思っていました。ところがカーブでもスピードを落とさないし、私がセンターラインが白のところで、前を走っている車を対向車線に出て追い抜くと、トラックも同じように追い抜いて、私の後ろをしつこくついてくるのです。
田舎の細い道なので、私のバイクのほうが走り的には有利です。大きなトラックがスピードを落とさず、バイクの後を追いかけるのはかなり大変だと思うのですが、むちゃくちゃ頑張って後を追ってきます。
一般道路ですから、私の方も無茶なスピードを出すわけにもいかず、カーブでスピードを落とさないように走って逃げるように走ったのですが、とにかくしつこく後を追ってきます。
10分ほど走って、バスを追い越したことで、やっとトラックは私を追いかけることを諦めたのか、離れることが出来ました。
信号待ちしているところで、脇から私がするっと前に出たのが気に入らなかったのか、それともバイクの走りについて走りたかったのか、よくわかりませんが、追突とかされると私が死んでしまいますので、少し怖い思いをしました。トラックが停まっている時に追い抜いたのですから、怒るようなことではないと思うのですが、ちょっと気をつけようと思いました。
そういえば、追い越しされた大学生のライダーを、煽って追突して殺害したドライバーがいましたね。あれも大阪でした。
あおり運転の原因は、「追い抜かれてカッとなった」という感情的なものでしょう。これは男性特有の感情で、ホルモンであるテストステロンが関係しているといわれています。テストステロンは筋肉の発達や男性機能に必要なホルモンです。喧嘩に強くて、メスを獲得する能力に優れているオスは、テストステロンがたくさん分泌されているそうです。
BMWやベンツなどの高級車が煽り運転をすることが多いのも、テストステロンが関係しているそうです。テストステロンが多い男性は、他人を威嚇したり偉そうにしたいので、外車を好む傾向があります。だから、外車を乗る人があおり運転をするとか。BMWは危ない運転をする人が多い印象があります。
テストステロンは、ヤル気を出してくれて健康に必要なホルモンです。また少ないと男性機能も低下します。しかし多すぎると闘争的で怒りっぽい性格になるようです。
このテストステロンと、強すぎる自尊心というのは、社会生活においてとても厄介なものだと私は思います。
殺人事件では「むかついたから殺した」っていう人が多いです。女性にフラれての殺人は、だいたいが男がプライドを傷つけられて逆上したもの。面子を潰されたという感情的な理由で、相手の命を奪ったり、自分自身や家族の人生も無茶苦茶にするなんて、冷静に考えなくてもほんと馬鹿げていますよね。
映画の登場人物で「世界を滅ぼしてやる」とか言っている悪役も、何が原因かというとほとんどが自尊心のため。(そんな理由でやるなよ、と言いたくなる)戦争だって、国のメンツが潰された、と怒る国民が後押しすることがあります。そう考えると人間の自尊心の感情ほど恐ろしくて馬鹿げたものはない。
そういえば「激突」という スピルバーグの映画がありました。トラックに追いかけられるやつです。低予算なのに面白い作品でした。道路では他のドライバーを刺激しないように気を付けましょう。