こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

イージーライダーが好きな歯医者さん

近所の歯医者さんに通って治療してもらっている間、目の前のモニターに映画「イージー☆ライダー」の映像が流れています。歯医者さんもバイクに乗っているらしく、私もバイクに乗っていることを看護婦さんが知っているので、気をきかして映してくれているのか、それとも単に自分が好きだから映しているのか、よくわかりません。

 

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患者が多く治療中雑談をする時間はないので、その歯医者さんには伝えていませんが、実はこの映画を大好きだった時期がありました。大学生の頃、近所のレンタルビデオ屋のお兄さんにダビングしてもらって何十回も観ました。

 

ピーター・フォンダとデニス・ホッパーが、メキシコからコカインを密輸して、謝肉祭へバイクで向かうロードムービーですが、広大なアメリカの直線道路を、ステッペンウルフの「ワイルドでいこう!」などのロック音楽を背景に走る映像は、鬱屈していた学生時代の私に、何にも縛られない自由さを感じさせてくれて、とにかく憧れました。悲劇的なエンディングもカタルシスでした。

 

学生時代に、中古のボロいアメリカンバイクに乗っていたというのもあります。未来にあまり希望も持っていない、悲観的な暗い青年だった私。ピーターフォンダのバイクみたいなティアドロップとチョッパーハンドルのバイクに乗りたい、アウトローになりたい、とガチで思っていました。でも社会人になると仕事が忙しくなって、バイクのことなんかすっかり忘れていたのですけれど。

 

十数年たって、少し経済的に余裕ができたので、再びバイクに乗ろうと思ったとき、アメリカンではなくロードスポーツのCB400SBを選択したのは、日本はアメリカと違って長い直線道路なんてあるのは北海道くらいだし、アメリカンバイクなんて日本にあわないよ、と思うようになっていたからです。そう思うようになったきっかけは、ニューヨークへ飛行機で飛ぶ途中、アメリカ大陸の広大な土地を上空から見て、やはりハーレーが似合うのはアメリカだなあ、と感じたからかもしれません。

 

「イージー☆ライダー」が好きな歯医者さんは、たぶんハーレーに乗っていると思います。もしバイクの話をしたら「日本と日本人にはハーレーは似合いませんね。」と持論を言ってしまいそうです。

 

好きなバイクに乗るのが一番ですから、そんな無粋なことは言わないようにしないといけません。