こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

ドラマ「ハンニバル」の戦慄する殺人アート

「ハンニバル」は「羊たちの沈黙」の登場人物ハンニバル・レクターを主人公にしたTVドラマです。「羊たちの沈黙」はジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスが出演したサスペンス映画ですが、大ヒットして続編も数本作られました。

 

TVドラマ版の「ハンニバル」は、2013年から放映されたTV版で、レクター博士とFBI捜査官グラハムとの話です。レクターを演じたマッツ・ミケルセンの魅力と、脚本の面白さ、それとなんといっても殺人現場のアート的表現、そして映像が見どころです。アート好きにはおすすめのドラマです。ただし残酷なもの、グロいものが苦手な人はやめておきましょう。ソウのシリーズが見れたら大丈夫です。

 

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主役のハンニバル・レクターは精神科医であり、料理や美術が趣味という快楽主義者なのですが、裏では自分の美意識に反する人物を殺して食べてしまうという殺人犯。社会的ステイタスが高く、FBIに協力しながら犯行を重ねる頭のいい人物です。物語では、彼の洗練された美意識と高い知性、そしてFBIを翻弄する行動によって人間としての魅力を演出しています。これは映画版とTV版どちらでもそうです。人が人を食べるシーンを、優雅に描くというのは斬新でした。殺人現場の死体も美的に装飾されていて、怖いのに美しいというミックスカルチャー的な手法です。また食と美が通じているということを描いているのも新鮮です。

 

殺人事件がいろいろ起こるのですが、以下のような死体を使ったアート作品がいっぱい登場します。マジ怖えって。

 

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これはアメリカで倫理的にどうなのかな、と思うような表現がたくさん登場します。ドラマの制作者は続編を続けたかったみたいですが、市民団体や宗教団体、教育団体からの圧力があったのかもしれません。

 

ドラマのアート制作について紹介している本がありましたので買いました。もちろん全シリーズのDVDも買いました。

 

シーズン3ではバイクに乗るシーンもあります。このシーンは映像としてよくできています。夜にバイクに乗りたくなります。

 

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マッツ・ミケルセンはこのドラマから好きになりました。映画のアンソニー・ホプキンスもいい演技でしたが、このドラマのマッツによって、ハンニバルというキャラのイメージはマッツで上書きされました。マッツの出演作をチェックしてたくさん見ました。007シリーズのカジノ・ロワイヤルも好演しています。最近の出演作では、ちょっと老けが目立ちはじめましたので、男の色気としてはハンニバルに出ていた頃が頂点のような気がします。