こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

SCR950の馬力〜スペック厨

 

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スペック厨というのは、自作PCを趣味とし、ベンチマーク至上主義、数字にとり憑かれた人のことを、厨房のようだねと小馬鹿にするネット用語のことです。広義では何かの工業製品を購入したり扱ったりすることを趣味としていて、仕様に書かれている数字を重視しすぎる人も、スペック厨と表現してよいらしいです。


趣味として情報収集を重ねたり比較をしているうちに、数字が気になるスペック厨を発症するようです。

 

私は比較的、興味の範囲が広く、車、バイク、カメラから、オーディオや自作PCも作りますし、読書やアート、歴史、映画や音楽など、自分でも呆れるほどですが、ひとつのことをとことん掘り下げないので、スペック厨に罹患することはありません。

 

ただカメラだけは、新製品のスペックがよかったりすると、それを購入することによって、さぞかしいい写真がとれるだろうなあ、楽しいだろうな、と夢想したり、自分の買ったレンズのDxOMarkのベンチマークテストの数字を見て、俺は正しい選択をした、とひそかに喜んだりしているので、スペック厨になる体質は持っているようです。

 

しかし冷静になって考えてみると、カメラの性能がよければ、いい写真がとれると思うのは、いいランニングシューズを履いたら、いい成績が出ると思う陸上選手と同じで、誤りではありませんが、道具より練習しろっていうのはどこの世界でも常識です。


「でもボクは最高性能のものが欲しいんだもん!」という考えも勿論あるでしょう。しかし、資金に限りがある以上、どこかでスペックの妥協をしなくてはなりません。自分を納得させるために「俺にはお前で必要十分だ。俺に相応しいのはお前だけさ!」と自ら納得する理由を作り出す必要があります。

 

何を言ってるのかわからなくなりましたが、話を変えてバイクのスペックについて。


現在SCR950に乗っていて、いいバイクだなあ、と思っています。このブログの最初の記事に、回りくどく長々と書いています。空冷2気筒のVツインなんですが、法定速度範囲内だったら、こういうエンジンが一番楽しいのではないかと思っています。


でもSCRの仕様を見ると、最高出力がたった40kW(54PS)しかありません。以前乗っていたCB400は41kW(56PS)です。排気量が399ccから941ccに増えたのに、最高馬力が低くなるとは、何ということでしょう。


大型二輪ライダーに「そのバイクって何馬力?」と聞かれて「54馬力ですよ」って言うと、「それだけ?」と言われます。


確かに400ccよりも数値が下がっているのですから、自分でも?って思いましたよ。でも走ってると、CB400よりも圧倒的に力強いです。

 

その理由は、回転数なんですね。CBは11,000r/min、SCRは5,500r/minで最高出力です。SCRは低い回転数で馬力が出るのです。ただしSCRはタコメーターがついておらず、どれくらいの回転数で自分が走っているのかわからないのですが、たぶん1500から2000回転くらい。ドコドコしてます。


私にとっては、そのドコドコを楽しんでいるので、最高出力の話はどうでもいいんです。馬力ないね、といわれても気にしません。


でもCB400SBを乗っていたときは、18kW(24PS)しかないSR400のことを見下してました。そんなエンジンじゃ高速走れないだろうと。でも単気筒のSRだってSCRのような味わいがあるのですね。スペックの数字はあくまで数字。バイクは乗ってみないと良さはわかりません。どれだけ楽しめているか、という視点が大切で、数字の話をするのはスペック厨の病にかかっているということですから、気をつけないといけません。

 

 

だから、私は、自分の乗ってる車が、発売後2年でマイナーチェンジされて、馬力が大幅に上がったとしても、まったく悔しくもないし、ぜんぜん腹も立たないし、ゴルァ、売るとき査定額が減るやんけ!とキレたりもしない。