こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

再度公園と外人墓地

「これは二輪通行止めになっても仕方ないなあ」

 

私は曲がりくねった奥再度ドライブウェイを車で走りながら、心の中でそうつぶやきました。ある日曜日の午後、私は再度(ふたたび)公園にむけて一人車を走らせていました。再度公園に用事があるわけでも、大きな関心があるわけでもありません。日帰りでいける距離で、何か気になる場所があり、通ったことのない道があると、貴重な休日の時間、ガソリン代、高速代を費やしてそこへ向かうのです。


その日は、バイクに乗るつもりで朝早く起きたのに、あいにくと雨でした。じゃあバイクで行けない場所に行こう、と思い立ち、前から気になっていた再度公園へ行くことにしたのです。気になっていた理由はふたたびという言葉の響きです。サヨナラは別れの言葉じゃなくてーくらいしか使わない言葉の地名に行きたかった。ただそれだけでした。

 再度公園は六甲山地の再度山の頂上にあり、六甲山を東西に走る六甲ドライブウェイにつながっている、奥再度ドライブウェイの中間地点にあります。奥再度ドライブウェイは、全日二輪通行禁止なので、そのうち車で行こうと思ってました。

 

この道路は一度も通ったことはありませんでした。新神戸駅から西方に数百メートル、少し場所がわかりにくいところに奥再度ドライブウェイの入り口があります。道は急勾配でくねくねと曲がる道で、カーブには番号がついていました。「頭文字」的な人が、喜んで走る道です。

 

雨が降っていたせいで、視界も悪く、路面も濡れています。ハンドル操作を誤って脱輪でもしたら厄介だなあ、と思って、拓海くんとは違って慎重に車を操作しました。

 

池がある場所に出ると、駐車場があります。大きい駐車場にしては、停まっている車は数台。シーズンオフだからでしょうか。車を降りて、まず池の周囲を一周してみました。景観が良い、とネットで書かれていましたが、うーん、どうでしょう。私としては微妙なところです。紅葉のシーズンだったらよいのかもしれません。

 

f:id:toshihiko-w:20190311225558j:plain

夏は子供向けのイベントがあるのでしょうか。ログハウスなどがあります。

 

f:id:toshihiko-w:20190311225615j:plain

地図に外人墓地と書かれていましたので、行ってみることにしました。

 

池から歩いて5分くらいのところに門があり、関係者以外は入れないようになっています。見学する場合は、事前申し込みをして、一ヶ月に一度指定日に入れるようです。

f:id:toshihiko-w:20190317112546j:plain

 

門の前から左へ行くと、少し高台があってそこから墓所の様子は確認できます。かなり広い敷地に白い十字架があちこちに立っています。なかなか立派な墓地ですね。現在墓地を訪れる人はどれくらいいるのでしょう。

f:id:toshihiko-w:20190317112821j:plain

f:id:toshihiko-w:20190317112450j:plain

 

再度公園を後にして、帰りは来た道を引き返すのではなく、六甲ドライブウェイまで登って東に進み、宝塚から大阪に帰ろうと思いました。山道を気持ちよく走っていると、六甲牧場あたりから右足がつってきました。コーナーとアップダウンが多く、久しぶりの激しいアクセル&ブレーキワークで、普段甘やかしている足がびっくりしたようです。酒の飲みすぎでミネラルが不足してるのかもしれません。

 

幸いに車を停めるとこを見つけて、ひと休みできました。最後まで走れる気がしないので、表六甲から下ることにしました。こちらも坂がかなり急ですね。バイクの下り坂カーブは好きではありませんが、車のときは、それほど苦手ではありません。「エンジンブレーキを使え」とあちこちに看板があり、ブレーキを頻繁に踏むとまたつりそうだったので、マニュアルモードで1速と2速を切り替えながら坂道を下りました。


帰ってWikiで外人墓地のことを読んでいると、墓地には堺事件のフランス人水兵11人も埋葬されているとか。堺事件は、土佐藩の武士の警備隊が、フランス人水兵と撃ち合いになり、11人を殺害した事件と、その後の顛末の話です。土佐藩の武士たちの切腹になったのですが、切腹の描写が生々しくて、昔の人はすごいなあ、と思ったものです。

 

神戸は外国人によって発展した街だということは知識上知っていますが、この墓地の存在であらためて外国人の存在について感じました。

 

今回はあまり感動するような収穫がありませんでした。墓地の中に入れたら少し違っていたかなあ。再度公園に”再度”行くことはないと思います。収穫が無い時は、我ながら無為なことしてるなあ、と思うこともありますが、「ネットを捨てよ町へ出よう」です。休日に家でごろごろしながら誰かがつくったコンテンツを観るより、外に出てリアルな経験をしたほうがいいと思います。