こばるとライダー日記

Soliloquy of a man riding a motorcycle and a convertible

関西で最高の森林浴体験は赤目四十八滝で

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1928年ロシアの植物学者ボリス・トーキンは、植物が傷ついたとき、傷口の近くの微生物が死滅していることを発見しました。植物は、自分が傷ついたとき、腐ったり食べられたりしないように、殺菌力のある物質を放出していることがわかったのです。その放出物質はフィトンチッドと名づけられました。

 

フィトンチッドは揮発性で、目に見えないダニやカビ、細菌などを抑制します。人間の免疫力を向上させる作用もあります。森に入ると爽やかな気持ちになるのは、このフィトンチッドの効果とされています。病気への抵抗力を強くし、気分を落ち着かせ、疲労回復、ストレス発散やうつ病にも良いらしいですね。

 

樹木が多い場所は、フィトンチッドが溢れているので、山や森の中を歩くのは、心身にとてもよいのです。療養所が山や森にあるのも納得です。樹木の多い公園も、気分が良くなりますね。樹木は酸素もくれるし、我々にとってとても大切な存在だと思います。

 

また自然の中は、1/fゆらぎの音があふれています。1/fゆらぎは、自然の中で聞こえる音の法則のことです。単調な繰り返しでなく、時間とともに大きくなったり小さくなったりする心地よい音の法則です。例えば、川のせせらぎの音、風が樹木を揺らす音、鳥のさえずり、虫の音などが該当します。1/fゆらぎを聞くとα波が出て、脳がリラックスするのです。

 

そして川の近くでは、水が岩にぶつかり、水しぶきになることでマイナスイオンが発生しています。マイナスイオンも成長促進効果や寿命を延ばす効果があるとされています。リラックス効果もあります。滝に打たれる修行は、マイナスイオンにどっぷり浸るという行為です。

 

森林浴が人の体や精神によい影響を与えるということは、近年ではそのように科学的に検証されているのです。

 

よい場所の気というのは、たぶんフィトンチッドが溢れてて、マイナスイオンがいっぱい発生していて、1/fゆらぎが聞こえるような場所ではないかと思います。

 

日本は国土の大部分が山であり、また水も豊富で渓流も多いです。気分が良くなったり、体の調子が良くなる、いい場所の気がたくさんある条件が揃っているのです。日本で、山岳信仰や修験道というものが発生したのも、山が人間によい影響を与えるという人々の経験から生まれたのだろうと推測します。

 

関西のお坊さんが修行する有名な寺院は山の中にあります。修験道も盛んです。修験道は、奈良の役行者(役小角)が開祖といわれています。葛城山の麓で生まれた役小角は、葛城山に篭って修行をし、超人的な能力を手に入れたとされています。空を飛べるようになったとも伝えられています。

 

フィトンチッドや1/fゆらぎ、マイナスイオンの効果の中で、何年も特別な訓練をすることで、身体と脳内物質のコントロールが出来るようになり、スーパーマンになったのでしょう。

 

修験道に実際に参加したことはありませんが、山の気に浸る経験ができる場所としておすすめなのが、赤目四十八滝です。三重県ではありますが、大阪から2時間くらいでいけます。

 入り口に山椒魚館があり、川に沿って、滝を見ながら上流に上っていけます。忍者の修行場であったといわれていて、途中登ったり降りたりと、山歩きの楽しさがあります。足もとが悪いので、天気の良いときに、靴底のしっかした靴で行きましょう。トレッキングシューズがあればベストです。また、上流まで距離がかなりあり、山の中は暗くなるのが早いので、朝早くから出かけたほうがよいです。

 

ここはフィトンチッド、マイナスイオン、1/fゆらぎに溢れています。暖かくなったらまた行きたいですね。さきほど調べたらこの場所は、日本の森林浴の森百選に選ばれていました。やはり俺の目は確かだった(笑)


赤目四十八滝はちょっと遠くてめんどくさいなあ、という方には、泉佐野市にある犬鳴山もおすすめです。赤目四十八滝ほど派手な自然ではないですが、いくつか滝があり、同じように渓流に沿って上流のほうへ登れる道があります。犬鳴山温泉もあるので帰りに一風呂浴びて帰れます。大阪市内から片道一時間ほどで行けます。